占星術師が未来を読む方法・その2～土星のサイクル～

　ある人の人生において、土星が出生時の星座に戻ってくる「まさにその日」は、重要な転機となります。たとえば、ささいなことなのにそれまでずっと悩まされてきた問題が解決したり、心の奥底にある恐れに向きあったりするといったことが起こります。土星の回帰で人は少しだけ年をとり、賢くなり、成熟していきます――これらはすべて土星が象徴するテーマです。
　この日に至るまでの数週間は、ストレスや不安、困難を経験するかもしれません（よく「夜明け前がもっとも暗い」と言われますよね？）。だから、それがいつ訪れるかさえわかっていれば、占星術師は「何が起こるか」「どう対処すべきか」について、非常に具体的かつ有益なアドバイスを贈ることができるのです。

　もうしばらく土星の話を続けましょう。なぜなら土星は人生において、もっとも困難を引き起こす可能性の高い惑星だからです。
　土星は、老いや死、規律、構造といったテーマを司ります。また、出生ホロスコープでの土星の状態は、その人がどこに限界を感じやすいかを示します。何を恐れているのか、自分にできないと思っていることは何か、そして（これがもっとも大事です）その人が人生のなかで学んでいく「厳しい教訓」がわかるのです。

　数字に強い方はもうお気づきでしょう。黄道を一周するのに28年かかる土星は、各星座に約2年半ずつ滞在することになります。つまり……「今土星はおひつじ座にいます」「おうし座に土星が入っています」ということそのものにはさほど特別な意味はないのです。だってその2年半の間に生まれた人は皆、同じ土星星座を持つわけですからね。

　では、占星術師は何を見るのでしょう？　占星術師が注目するのは、土星がどのハウスに在住しているか、そして土星より速く動く他の惑星との間でどういった特別なつながり（アスペクト）を持っているのか、といった点です。

　もしあなたがこの先訪れる困難な時期を知りたいと思うなら、占星術師にならってまずは「前回」そして「次に」土星が出生図の位置と重なるタイミングを調べましょう。そうやってサイクルがわかったら、サイクルの4分の1、半分、4分の3を通過する時期にも注目してください。
　占星術において、4分の1、半分、4分の3といったタイミングは常に重視されます。理由は月を思い浮かべるとわかりやすいかと思います。月の27.5日間のサイクルのちょうど半分は「満月」ですね。満月の前、月は「満ちて」いき、満月の後には「欠けて」いきます。半分が転機になっているというわけです。
　また、数秘術や「円を4分割する」という古代からある考え方ともリンクしています。

　もしあなたがもっと正確に惑星のサイクルを知りたいと望むなら、「エフェメリス」という特別な資料をあたってみてください。エフェメリスは、すべての惑星の天球上の位置を1日ごと（正午や真夜中などを基準として）記した巨大な天文暦で、ほぼすべての占星術師に利用されています。