占星術で使う10の惑星・その2～天王星・海王星・冥王星～

　革命は静かに始まりました。
　その日もバースの街では、ウィリアム・ハーシェルというアマチュア天文家が裏庭に腰掛け、自作の望遠鏡で空を眺めていました。
　ちなみにその時点で望遠鏡は発明されてから200年も経っていません。にもかかわらず、望遠鏡はすでに（ガリレオをとおして）土星の輪と木星の衛星を明らかにし、科学とオカルト双方の知識の基礎を揺るがしていました。ガリレオは惑星をより身近なものにし、神秘のヴェールを取り去ったのです。

　さて、ハーシェルはその日、単に新しい彗星を見つけただけだと思っていました。が、次第に真実が明らかになり始めました。それはまったく新しい惑星だったのです！

　この惑星は、天王星として知られるようになりました。
　それから65年後、続いて海王星が発見されました。
　そして1930年、もう一つ、もっと遠い惑星、冥王星が見つかりました。科学者たちのなかには、太陽系にさらなる惑星、仮にペルセポネと呼ばれるそれが存在する可能性について議論している人たちもいます。“彼女”（訳注：ペルセポネはギリシャ神話の冥界の女王）が発見されようとされまいと、人類が進化し成長し続けるにつれて、宇宙そのものがメッセージを変え続けていくことは間違いありません。

　天王星の発見は、（おおよそ）産業革命の幕開け、アメリカ独立戦争、フランス革命と重なります。当然のことながら、天王星はすぐに新しいテクノロジーや変化をもたらす突然の劇的な行動などと結びつくようになりました。

　海王星の発見は、フィルム、写真、ガソリン、内燃機関、そして人類が分析心理学の第一歩を踏み出した時期と（おおよそ）一致します。海王星がそうした分野に特別な効果や影響をもたらす星だと考えられているのはそのためです。

　冥王星の発見は、世界的な不況、ファシズムの台頭と第二次世界大戦、原子力の発見などと（おおよそ）重なっています。冥王星が「暗い」惑星であるとされ、ほとんどの占星術師がなかば困惑しながら見守っているのはご存じのとおりです。

　これら3つの惑星は1つの星座を移動するのにとても長い時間がかかるため、しし座に冥王星がある、かに座に天王星があるということそれ自体はさしたる意味は持ちません。なにしろ数年以内に生まれた人なら、皆同じ位置にいるのですから。天王星、冥王星、海王星は、あなたのホロスコープ上でどのハウスにいるかだとか、それ以外の惑星とのアスペクトだとかをとおして個人的な意味を持つものとなります。

　魔法的な意味でいうなら、特に現代的なことを達成したわけでないかぎり、この3つの惑星のことは忘れても大丈夫です。映画を成功させるには海王星、反核キャンペーンを盛り上げるには冥王星、コンピューターやテクノロジーへの知識を深めるなら天王星に願いを捧げるといいかもね、程度です。