金星星座がおうし座（牡牛座）だということ・その2～愛そして好みのタイプ～

　おうし座に金星を持つというのは、肉体的な刺激に対して息を飲むほど敏感に反応するということと同じです。写真的な記憶力を持つ人もいれば、官能的な記憶力を持つ人もいるでしょう。いずれにせよ、一度触れたり感じたり味わったり聞いたり……しただけで、そのことをいつまでも覚えていられます。

　だからこそ、あなたにとって環境の“質”はとても重要です。エコロジストが大気を汚染する煙突を嫌うように、あなたは標準以下の品質の品物があなたの人生を台なしにしてしまうのに耐えられません。あらゆるものが、可能なかぎり最高品質でなければならないのです。

　座るところ、食べるもの、寝る場所、聴く音を吟味するあなたは、自分のもっとも深くそして情熱的な衝動を呼び覚ますのを許す相手には、さらに吟味を重ねます。あなたの欲求を口先だけで満たすような恋人は、どんなに他の点がよかろうと許されません。
　何か、もしくは誰かに自分を捧げるときのあなたはいつもそうです。芸術、音楽、文学、自然美、恋愛表現……どのようなものを楽しむにしても、興味が足の指先からゆっくりと目覚め、頭のてっぺんまで徐々に上昇し、身体全体が果てしなく力強い波動に身もだえするのを感じたいと願います。

　とはいえ、傍目からはあなたがそうした人だとはわかりません。あなた自身も、「当たり障りのない人」というペルソナを前に出し、誤解された“ダークホース”であるのを好みます。

　あなたは、哲学よりも経験を優先したいという本能的な欲求を分かち合える人にだけ自分をアピールします。そんなあなたの魅力に逆らえない人たちは、実はプライベートでは非常に深いレベルであなたと通じ合えると認め､信じている人たちです。
　逆にあなたと一緒にいるのはしんどいと感じる人たちもいます。彼ら・彼女らは、偽りの役割を演じたり、社交的な雰囲気を装ったりするのを拒絶するあなたの姿に、腹が立ってしょうがないのです。

　普通、デートや特別な日には魅力的に見せようとドレスアップするものですが……あなたは、毛穴からあふれ出るむせかえるような官能的な魔力を放たないように、外見をトーンダウンする必要がある人です。あなたは単にグラマラス（この言葉は表面的な華やかさを意味するものですが）なのではなく、深みのある女性的な強さを表現する能力を生まれつき備えている人です。あなたの心理的なOSの標準機能にそういった意味でのゴージャスさが搭載されていると言ってもいいかもしれません。

　ロールスロイスには素晴らしいシートが不可欠ですが、あなたにとっては男性はいてもいなくてもいい存在です。だからあなたは、たくさんの希望者のなかからパートナーを選ぶことができます。目立ちたがり屋、お調子者、小賢しい男は門前払いです。あなたは深く官能的で誠実な人にしか興味がありません。

　あなたの理想とする女性は、幅の広いフードのついたガウンを着ています。彼女は慈悲の天使であり、神秘的な人物であり、温もりと優しさを与える輝く瞳の持ち主です。
　彼女は、その癒しを求めて列をなす困窮者や病人の世話をしながら、同時にあなたの肉体的な気まぐれや空想の全てを満たしてくれます。料理をし、掃除をし、快適な家庭を築きながら、裏庭で育てた高級なランを高額で売りさばきます。そしてあなたは、二度と働く必要がなくなるのです。

　そんな人は生身の女性にはいないって？
　ところで、もっとも近いところにいる（ように見える）女性は、常にあなたの心をつかむのではないですかね。