愛の星、金星と金星の宿る星座の物語・その2～自然と人間関係と～

　さて、あなたの金星星座は恋愛に対するあなたの姿勢の多くを明らかにしますが、それだけでなく母なる自然との関わりについても教えてくれます。

　母なる自然は力強い存在です。ある人にとって、自然は非人間的で科学的な姿をしています。またある人にとっては、母なる自然は嗜好や好み、習慣や趣味を持った、まさに生きた個人として存在します。
　いずれにせよ、すべての人にとって自然はインスピレーションの支柱であり源です。自然が注意深く創り出す環境がなければ、私たちが呼吸する空気も、飲み水も、浴びる太陽の光も、そして互いの愛を追求する世界も消え失せてしまうでしょう。

　私たちには自然の営みのすべてを理解することはできないかもしれませんが、その活動がいかに広大で力強く、莫大な影響力を有しているかに感嘆せずにはいられません。自然を当たり前のものと考えるにせよ、その雄大さに畏敬の念を抱いて生きるにせよ、自然の営みのすべてに論理的な説明を積極的に求めるにせよ、私たちは自然との関わりを持たざるを得ません。
　そしてあなたの金星星座が示すのは、この絶え間ない関係の特別な性質です。

　あなたは、自然があなたに与えなかったと思われるものを補う必要があると考えていますか？　それとも、自然が与えてくれた惜しみない恵みに圧倒されているのでしょうか？
　あなたは自然をあなたが必要とするものを何でも供給してくれる豊かな力だと思っていますか？　もしくは、自然は繊細な保護が必要な、弱く、崩れやすいものだと感じているのでしょうか？

　あなたが自分の住む広い世界をどのようにとらえているかは、他の人々に対するあなたの態度を反映しています。
　自然を信頼する傾向がある人は、愛する人を信頼するでしょう。自然は何か厄介な策略を弄（ろう）しようとしているのではないかと常に疑っている人は、身近な人に多くを与えすぎることを警戒しながら生きていきます。つまり、あなたと自然とのつながりは、人間関係のカウンセラーが行うセッションと同じくらい多くのことを明らかにするのです。

　金星は太陽から2番目の惑星で、地球にもっとも近い惑星です。大きさは地球とさほど変わりませんが、硫酸の雲に覆われ、表面温度は460度もあります。
　しかし、天文学者でさえも、金星には思わず駆け寄りたくなるような明るく魅力的な美しさがあることを認めざるを得ません。なぜなら金星は惑星であるにもかかわらず、星のように瞬いている（ように見える）のです。金星の重力は人体に影響を与えないのかもしれませんが、空を見つめる人の琴線に触れるのは間違いありません。非常にゆっくり自転する金星の1日は私たちの4ヵ月に値するほどですが、金星はやはり、夜に交わす約束の究極のシンボルです。

　金星を遠くにあるガスと岩の球としてしか見ていない人には、金星が地球上の出来事に影響を与える力を持っていることを理解できないでしょう。確かに金星や他の惑星がなぜこのような現象と結びつくのか、満足のいく科学的な説明はまだありません。

　けれども、愛そのものが科学的に証明できる現象ではないのです。愛を経験するには、それが何であるかを問うのをやめて、ただ自分が真実だと感じる何かに身を委ねるしかありません。
　金星が惑星に過ぎないというのは、虹が光の屈折による興味深い現象に過ぎないというのと同じです。あるいは、キスは種を繁殖させようとする原始的な衝動の表現に過ぎないだとか。
　ロマンスは論理的な説明を無視します。しかしだからといって、ロマンスが現実的でないわけではないのです！