月星座がいて座（射手座）の人の性格・その1～突き進むエネルギーと立ち止まって思考する繊細さと～

　占星術の教科書には、いて座の月を持つ人は陽気で親しみやすく、心が広く冒険家で、贅沢が好きで気前がいいと書いてあります。これらはすべて正しいのですが、いて座の月のことを半分しか語っていません。
　確かにあなたはいつもパーティーの中心にいて、オフィスの盛り上げ役であり家族のなかでコメディアン的存在かもしれませんが、よくよく考えるなら、あの賢明な哲学者スモーキー・ロビンソンの言葉を思い出す必要が出てきます。あなたの陽気さは演技であり、あなたの大らかさは防衛本能であるということです。いつも陽気にしていれば誰も自分の本当の弱さや拒絶に対する恐怖に気づかないだろう――あなたの心の奥底は、感情の温床というよりも、満たされない（そして永遠に満たされることのない！）情熱で満ちたまさに地獄のような状態にあるのです。

　あなたはしばしば、もう一刻の猶予もないことに気づきます。内なる火山が噴火してしまうのです。頻繁に起こることではありませんが、あなたの心が憧れで満たされると、いて座が月に及ぼす「増幅」の影響によって突拍子もない行動に出ることがあります。そんなときあなたは、誰も想像できないようなリスクを冒します。奇抜なことを言いだし、手の届かない虹を追い求め、しかもそれらに真剣に取り組みます。もっとも幸運なことにあなたにユーモアのセンスが戻り、危険な欲望が収まるまでにそう時間はかからないのですが。

　いて座は活気にあふれ、エネルギッシュでユーモアがあり、陽気な星座です。また、親切で思いやりのある星座でもあります。しかし月は、小さな村で生まれ育った人が大都会で迷子になるのと同じく、時に「迷い」を感じる星です。自分の立ち位置を常に知りたがる性格、と言ってもいいかもしれません。

　いて座は永遠に変化し続ける星座です。この星座の精神は「前へ、そして上へ」であり、堅実で安全であろうとする月の傾向とは必ずしも一致しません。その結果、いて座の月を持つ人は､落ち着きがなく不安定な気持ちになることが多く、しがみつくべき強固な何かを常に探し求め、「今あるもの」に落ち着くことができないのです。

　あなたの陽気で人当たりがよく自信に満ちた人柄の裏には、競争心があります。常に他人と自分を比較しているだけでなく、自分の過去の記録を改善しようとすることも多いでしょう。非現実的な目標や自分の度胸と勇気を試すために選んだとんでもないアイデアを実行に移そうとすることもしばしばです。

　あなたの愛する人は、そんなあなたと一緒に暮らすのは難しいと感じるかもしれません。あなたの目標が一つのところからブレないのなら彼ら・彼女らも理解できるのでしょうが、優先順位を切り刻んだり変えたりするあなたの傾向は、当たり前のように一貫した世界で生きている家族の各メンバーを混乱させます。
　パートナーはあなたと一緒にいること自体は楽しいと感じるものの、甘くて軽いその場の思いつきに身を任せているかと思えば、次の瞬間には鋭く真剣な特定のポイントにひたすらこだわり続けるあなたを理解することができません。

　とはいえ、率直に言うと、この状況に対してあなたができることは0です。自分が恋人に何を求めているのかがわからないのに、恋人に対して自分が必要としているものを提示するなんてできるわけがないからです。
　だからこそあなたは、関係者全員が自分の感情を忘れるほど（つまりは細かいことなど忘れ去って）困難に打ち勝とうと没頭し、成功のために一致団結するような大きな挑戦の場で、もっとも他の人たちとうまくやれるのです。