12の月星座、そして月星座にまつわるヒントと小話～てんびん座・さそり座・いて座～

　てんびん座の月においては、相反する二つの性質が結びつきます。

　一つには､てんびん座に月を持つ人は、常に鋭い美的感覚を持ち、音楽や芸術をはじめあらゆる世俗的な美について自分が好きか嫌いかを即座に見極める力があるということです。
　もう一つは、彼ら・彼女らは自分の感情について――特に他人との関係のなかで――それがどういったものなのかをうまくつかめないことが多いという点です。対立を何としても避けたいという気持ちが強いため、まれに強い意見を持ったときですら口に出すのをためらいます。月星座てんびん座の人の言っていることとやっていることがチグハグになりがちなのはそのせいです。

　彼ら・彼女らは、あらゆる感情をゆったりと熟考・検討のプロセスにかけたがります。難しい問題に直面するのは心底嫌がります。自分で決断せず、誰かが代わりに決めてくれるのを待ちがちなのもうなずけますよね？

　さそり座に月を持つ人は、常に自分自身を完全に信用することができません。情熱は深く、欲望も強く、何より「安心させてほしい」という圧倒的な渇望を持っている一方で、それを認めるのが怖くて仕方ないのです。彼ら・彼女らは、自分の感情の深さを隠そうとして多くの時間と労力を費やしますが、残念ながら失敗することがほとんどです。
　月星座さそり座の人たちはとても傷つきやすく、かつそれが自分の過敏さゆえであることに気づきません。他人の悪意ある策略だと思いこむのです。そのため、先制攻撃に出たり、鉄壁のガードを築いて誰も中に入れなくなったりします。

　こうした性質は彼ら・彼女らを非常に扱いづらい存在にします（自分自身にとってもです！）。ただし、そうした神経質でおびえたエネルギーを性的なことや物質的な方面に全力で注ぎこむと、思わぬ大成功を収める場合もあるのがおもしろいところです。

　いて座に月を持つ人の感情構造は、まるでサンドバッグのようです。どれだけ打撃を受けても、少しぐらついたあとにすぐ元通りになります。そのせいか、同じ過ちを繰り返してしまいがちで、人生を通して何度も同じ失敗をすることも珍しくありません。
　しかし、その不滅のポジティブさは、ある種の特別な知恵を生み出します。それは理論的なものであり、実践的なものとは限りません。

　彼ら・彼女らの人間への無邪気な信頼には伝染力があり、より傷つきやすい人たちを無用のトラブルに巻きこんでしまうこともあります。とはいえ、責任を問われたところで、肩をすくめたり軽く笑ってごまかすだけです。

　月星座いて座の人たちは、退屈や単なる日常への恐怖心が強く、チャレンジ精神をもって臨める人間関係やプロジェクトでなければ深く関わる気すら起きません。