金星星座がやぎ座（山羊座）だということ・その2～愛そして好みのタイプ～

　やぎ座に金星を持つ人は、とてつもなく忠実です。関係に価値があると感じているかぎり、不平等だったりひどい扱いを受けたりしていても黙って我慢します。彼ら・彼女らの一番の願いは自分が他人の役に立つことであり、自分を第一に考えることにしばしば罪悪感を覚え、最終的に「もうダメだ」と宣言するそのときまで、他人が自分の上を歩いていくのを許容します。

　あなたにも心当たりがありますか？　どうかあなたのホロスコープに、支配欲の強い人を惹きつける傾向と同じくらい、あなたが殉教者になってしまうのを防ぐ力があるようにと願っています。

　言っておきますが、あなたは決して弱いわけではありません。むしろあなたはうらやましいほど強い人です。ただ、あなたの強さは馬車馬的な強さであって、バックして走るブロンコ（編注：車種の一つ）の強さではないというだけです。
　あなたが求めているのは、名誉と誠実さをもって遂行できる仕事を与えられることです。世の中の人のなかには、そんなあなたを一目見ただけで、「この人は自分のために忠実に尽くしてくれるだろう」とスカウトしたくなる人がいるほどです。

　皮肉なのは、あなたは自分がそうと決めさえすれば、フォロワーではなくリーダーになれるという点です。自分の力を誇示するのにためらいがあるという点を除けば、あなたはリーダーとしてのすべての資質を備えています。クリエイティブなレベルでいうと、やぎ座の金星はあなたを本物の職人にします。あなたは鋭敏であるのと同じくらい丹念であり、献身的であるのと同じくらい識別能力に長けています。

　にもかかわらずあなたは、自分の作品なのに自分より他人のほうが利益を得ていると気づくことが多いように、恋愛においても、感情的、肉体的に不当な扱いを受けていると気づく場面が多々あるでしょう。最悪（あるいは最高？）なことに、大らかな性格ゆえに、あなたはそれをほとんど気にはしないのですが。

　多くの女性は、自らの威厳と冷静さを守る必要性を強く感じているものですが、やぎ座に金星を持つあなたには、めまぐるしい慌ただしさを演じ、ワイルドで奇抜でちょっと「危険」なキャラクターとして世間に自分をアピールするだけの余裕があります。
　まるで登下校時の子どもが親の手を握りながらも学校のいじめっ子に舌を出して見せるかのように、あなたはそうしたフリを安心した状態で演じます。結局のところ、自分には莫大な量の常識の蓄えがあると知っているからこそ、社会的、道徳的、あるいは感情的に受け入れられる限界まで自分を追いこむことができるというわけです。その証拠にあなたは限界を超えたりなんてしませんからね！

　あなたは自分自身をコントロールできるので、現実を把握するのが少々苦手なパートナーとであっても、贅沢な時間を過ごすことができます。詩人のような浮世離れしたパートナーを惹きつけるために、わざと奇抜さを過剰演出することすらあるでしょう。そんなことをしていたら、浮世離れしたダメ男と結ばれてしまうって？　大丈夫、あなたなら彼を振り向かせるどころか、成功者とすることだってできます。実際、あなたはそういう一見無謀とも思える挑戦が好きな人です。ですよね？

　おっちょこちょいで空虚で、お馬鹿でちっちゃな女の子みたいなタイプ……はあなたにまったく似合いません。かなり年上の女性、とまではいかなくても、少なくとも大人びた見通しを持つ一方で、無分別な目つきをしている女性を選んでください。彼女が一定のルールを定め、一般的に見るとけっこう厳格な態度をとったとしても、あなたはそれを不快に思うより愉快で魅力的だと思う可能性のほうが高いのですから。
　実際、やぎ座に金星を持つ男性のなかには、非常に直接的に支配権を行使し、かなり厳格な性格をした女性にこそ興奮を覚える人たちが存在します。あなたがそこまで極端なタイプかは、ホロスコープにある他の要素次第ですがね。

　いずれにしろ、あなたという人が――『ドラグネット』で警官を演じたアン・ロビンソンを他の人がビヨンセを見るのと同じような目で見るとまではいかないとしても――表面的には常識をまとい、実は奥底に人並み外れた官能性を隠している女性を好む傾向が強いのは確かです。強さと自立とは、物事に頓着せず妖精のようにふわふわしている絶望的に無力な「女性らしさ」よりあなたにはずっと魅力的に映るのです。