金星星座がおとめ座（乙女座）だということ・その1～自然とクリエイティビティ～

　おとめ座に金星を持つということは、自然に対して共感を持つというよりも、百科事典的な知識の蓄積を意味します。たとえば、島を水没させる潮の満ち引きが石炭をじわじわと燃え上がらせる炎と結びついているように、まったく異なるもの同士の間に共通点を見出すことができるのです。自然と人間の両方の性質を注意深く分析できる、金星がおとめ座の人ならではの特徴です。

　畏敬の念と驚嘆を抱きながら創造物を観察する一方で、感想を都度語り合う以上のことをしようとはしないのと同じように、おとめ座に金星を持つ人は、愛する人の活動にはめったに干渉しません。相手がうまくやっているならそれでいいと考えます。間違いを犯しているように見えたら？　それでもあなたは早急にボランティアとして駆けつけるよりも、相手が助けを求めてくるのを待つでしょう。
　自然現象について尋ねられたときも同じです。自説を求められたら述べ、誰かが自分の間違いを指摘してほしいと頼んできたら、それはそれはやさしく、わかりやすく、そして「驚くほど正確に」教えてあげますが、それまでは黙っています。

　生まれつきの知恵に恵まれているあなたが、恐れを抱き続けているのは皮肉な話です。口が滑るのを恐れ、船を揺らすのを怖がり、自分が正しいにもかかわらず恨まれることにおびえているのです。答えを求められて用意できないシチュエーションも、あなたにとっては恐怖です。
　そのため、あなたの人生は現実には起こりえないことへの準備に忙殺されたり、あなた独自の好意に応えない周囲に苛立ったり――たとえば、パーティーにハープを持っていたのに、誰も演奏を頼んでくれなかったとか――する瞬間がとても多くなりがちです。

　キャリアにしても恋愛にしても、あなたはもっと大きな価値を有しています。もしもあなたが提供するサービスを喜ぶ顧客やあなたが差し出す愛の受け取り手がほしいのなら、拒絶されることへの不安や心配を捨てるべきです。そして、あなたを売り出す広告を出してください！

　あなたには素晴らしい整理整頓能力が備わっています。なのにあなたの世界はしばしば少々混沌として見えます。
　なぜでしょう？　実はすべてをマークアップし、書き留め、チェックし、ファイリングする必要があるのは、問題対処能力に自信がない人たちです。自分の持ち物もそれをどこにしまったかもだいたいわかっているあなたは、古いものを3度チェックする暇があったら、新しいプロジェクトに取りかかることができるのです。

　あなたが多作であると同時に熟練者でもあるのはそのためです。あなたは太い筆ばかり持って雄壮な作品ばかり創るわけでもなければ、神経質なほど細いペン先でデザインすることにこだわるわけでもありません。

　おとめ座に金星を持っているため、あなたは官能的なアフロディーテの魅力と、（おとめ座の支配星である）水星の持つビジネスにおける機知や柔軟性を融合させることができます。そればかりか、宇宙的なヒーラーであるカイロンの恩恵にもあずかれるはずだと主張する権利もあります。あなたの創造的な衝動に便宜的・実用的であることへの願望が伴っているのはそのせいです。
　あなたは、経験のためにあえて難しいやり方をすることにほとんど意味を見いだせない人です。試行錯誤を重ねたうえで最短距離を進めるテクニックを身につけたなら、いつだってそれを使えばいい。壊れていないのになぜわざわざ直すの？　明らかに多くの人に支持されているならどうして叩く必要が？――あなたは、他人の作品の悪いところをあげつらってズタズタにするよりも、よいところを褒めるのをはるかに好みます。何もかも壊してゼロからやり直すのではなく、修理して長く使うのがあなたの好みです。

　自らの芸術を妥協することなく、けれども世の中に適応させたいという純粋な意欲が、あなたの創造的なスキルが愛好家から経験の浅い消費者まで幅広い人に愛される理由です。少なくとも潜在的に、あなたにはどんな分野でも成功する可能性があります。
　絵を描く、料理をする、ガーデニングをする、織物や編み物、歌う、踊る、演技、書く、癒す、マッサージする、計測する、研究する、助言をもたらす、もてなす……あなたはそれらを謙虚な誠意をもって献身的に、かつ誇りを持って行える人です。