月星座がやぎ座（山羊座）の人の性格・その1～ひそかな二面性の功罪～

　歴史上、たくさんの偉人がやぎ座の月のもとに生まれています。
　やぎ座の月には、本来そうでもない人――たとえば臆病な人――を専制君主、独裁者、暴君に変えてしまう何かがあり、あなたもまた、心のどこかに地位への渇望、支配欲、畏敬の念をもって接してもらうことへの憧れを抱かずにはいられません。
　「そうしようという意志のもと、職場や家庭、その他の交友関係において確固たる権威的な地位に上りつめる」「人生の大半において最高の権力を手にしたいという衝動を抑えこみ、究極の負け犬になって誰からも見放されるようにする」。あなたがこれらの方法のいずれかを選択しがちなのも、やぎ座の月の影響です。

　いずれにせよ、あなたは本当に必要なときには「反対を許さないほど強い意志を露（あら）わにする」「際限のなく怒りの感情をまき散らす」といったことができる人です。しかも幸運なことに、そうした内なる資源の宝庫であるあなたには、それらを惜しみなく使えるだけの賢明さと責任感が備わっています。

　たいていの場合、あなたは冷静さと常識と自制のお手本そのものであり、多くの人が、あなたの冷静さと争いごとさえもエネルギーに変えてしまう能力を称賛しています。もっとも、いったんあなたが自己の使命や目的、正すべき重大な過ちのために正当な戦いに打って出たなら、邪魔者や敵対組織には災いが降り注ぐのですが。

　他の人たちは、あなたを強くて自信に満ち、成熟していて責任感が強く、分別がある人だと思っています。

　やぎ座の月について占星術師がもっとも興味をそそられるのは、この点です。なぜならやぎ座に月を持つ人々は、一方で相手に対して「弱くて不安定、幼稚で不注意で思慮に欠ける」という正反対の印象をも与えることができるからです。
　なぜそんなことが起こるのか。おそらくは、あなたを含めやぎ座の月の人たちが、自分の欠点を意識するあまり、それを補うのに一生懸命になりすぎているのが原因です。そしてそのせいで、あなたは時に過ちを犯します。つまり、自分のポジティブな面のアピールに熱心になればなるほど、ネガティブな特徴を愛する人に印象付けてしまうのです。

　あなたは支配欲が強い人です。普段、それは主にあなた自身に向けられ、強力な衝動抑制やとまどい・迷いといった感情の内在化をもたらします。
　しかし時にあなたは、他人の人生に抑制的であろうと決意し、非常に情熱的としかいいようのない方法でそれを実行します。相手はあなたの意志の強さと行動力に驚くほかありません。いつもならばパートナーに日々の決定を委ねているあなたが、突然態度を変えるのです。もっとも普段でもあなたは「艦艇の提督」のつもりであり、パートナーは「船の船長」と考えているのですが。

　あなたはパワフルな人物にとても惹かれます。偉大な指揮官であるあなたですから、自信を持って艦船を任せられる人物を選ぶのは当然です。
　ただ、重大な事態が発生し、パートナーの考えに意義を唱えなければならなくなったときには注意が必要です。あなたは豪華なオフィスを出て自ら舵を取り、誰が本当の責任者なのかを高らかに宣言するのですが……当然そこには緊張が走ります。自分がどれだけの権力を握っているかについて普段から自信を持っていられれば、そんな宣言は必要なくなり、人間関係の険悪化を避けられるはずです。