月星座がおとめ座（乙女座）の人の性格・その1～過小評価と自己批判の罠～

　おとめ座に月があること――その意味を読み解くのにはちょっとした緊張を伴うと、あなたなら理解できますよねは？　だってそれはつまり、「あなたは無価値な人間で、魅力にも独創性にも絶望的に欠けている」と告げることですもんね。ご高説のとおり、あなたがこれまでの人生で幸運にもうまくやってこられたのは、他の人たちがあまりにも盲目的でそのことに気づかなかったか、大いなる寛容性ゆえにその事実を無視し続けてくれたからでしょう。

　あなたがついに自分の月星座に目を向けたこと、それはとても喜ばしいことです。
　あなたは素晴らしい人で、立派な人です。あなたが唯一間違っている点といえば、おとめ座に月があることです。まあ、本当に「間違っている」のかというとそうではないのですが。とにかくそのせいで、あなたはしばしば自分の能力を疑い、貢献を過小評価し、悪意に満ちた鋭すぎる自己批判で自分をズタズタにしてしまうのです。たとえば「自分は無価値な人間で、魅力も独創性も絶望的に欠けている」といった具合に。

　この世の多くの人たちは、あなたがそうした「自己批判の森」から抜け出さずにいることを好みます。彼ら・彼女らにとっては、あなたを操って善意と能力を搾取し、本来の価値に比べると“はした金”であなたを雇ったりサービスを受けとるほうが好都合だからです。

　そうした状況に困惑し、苛立つのはあなたを本当に愛している人だけです。これまで出逢った人のなかでもっとも知的で、セクシーで、繊細で、才能があって、おもしろい人物であることが明らかなあなたが、なぜそんなに自己否定的なのか……？　あなたを愛する人たち（そしてあなた自身）を心安らかな状態にするために必要なのは、あなたが自分を安売りするという先天的な占星術的傾向を笑い飛ばすことを学び、本当の意味で賢くて機知に富み、才能にあふれたスターになることです。

　おとめ座の月は、あなたをとてもつきあいやすい人にしてくれています。寛容で思いやりがあり、常に他人の良いところを見ようとするあなたのことを、ほとんどの人が「公正で思慮深く、賢く合理的で、明るく興味深い人だ」と感じるでしょう。

　唯一あなたが遠ざけるのは愚か者ですが、ラッキーなことに、愚か者の側でもあなたのことを見下し、遠ざかっていってくれます。
　愚か者とは？　あなたの定義によれば、質より量、中身より見た目、幸福よりもお金を優先する人のことです。物事の本質を見極められるあなたは、こういった近視眼的で非本質的な考えや行動を忌み嫌います。あなたにとって“愚か者”は危険で、破壊的で、距離を置くことが不可欠な人物なのです。

　とはいえ残念ながら現代社会では、“愚か者”を完全にシャットダウンして生きていくのは難しいと言わざるを得ません。あなたがこの騒々しくて思いこみが激しく、思慮に欠けた判断をひっきりなしに下す連中と口論になったり、道中を邪魔されたりすることが多くなるのはそのせいです。
　あなたは彼ら・彼女らを相手にするのに疲れ、フラストレーションを溜め……あなたの愛する人も、そんなあなたの相手をするのにくたびれてしまいます。“無駄”“愚か”と感じるもののせいで自分自身をそんなに悩ませてはならない、とあなたに思い出させる作業にも限度があるというわけです。

　おとめ座の月は、あなたに「理にかなった」世界で生きることを切望させます。が、悲しいことに人生には理にかなったことなどほとんどありません。あなたが親しい人との関係をもっとリラックスしたいのなら、人生の奇妙で滑稽で皮肉な面を批判しがちな心理的傾向を抑え気味にする必要があります。

　また、自分が他者に提供できるものを過小評価する傾向への対策も必要でしょう。
　あなたは自分は誰にとっても必要ない存在だと感じがちです。そしてまた一方で、そうした恐れから逃れようとするあまり、自分に過剰な自信を持つ傾向があります。より多くを与え、より少なく批評するよう集中すれば、感情的な充足感を大いに味わえるでしょう。