月星座がしし座（獅子座）の人の性格・その1～世界という舞台の押しも押されもせぬ主役～

　あなたがどんなに素晴らしい人かは言うまでもないでしょう。しし座に月があるあなたも、それが疑いようのない真実であるとすでに知っているはずです。
　あなたが「自分でも確信している」と言う資格があるのは、これだけではありません。あなたはさまざまなテーマについて多くのことを知っていて、少なくとも自分の意見は必ず正しいと熱烈に信じています。実際、たいていはそうです。でも、ときどきそれに腹を立てる人もいます――なぜなら、あなたは自分の意見をあまりにも知ったような口調で述べるので。あなたの提案は非常に魅力的ですが、同時に相手の察しのよさに助けられていることを忘れがちです。

　あなたが繰り返し抱く最大の妄想は、愛する両親が実は里親であり、実はあなたはチャールズ国王よりも2年前に密かに生まれた女王の愛児だという証拠をいつか手に入れられるかもしれない、というものです。いつの日か世界中がそれを知り、あなたは王位を主張するのです！
　少なくともあなたの人生に対する姿勢は、こうした壮大な思想に基づいています。とはいえ幸いなことに、時折見せる偉そうな態度やスマートで飄々（ひょうひょう）とした性格、あらゆるショーの主役になりたがる傾向とはうらはらに、あなたはこの世でもっとも親切で温かく、寛大で、純粋な人物の一人です。おかげであなたは多くの罪を許されています。

　シェイクスピアの「世界はすべて舞台だ」という言葉にあなたは心から同意するでしょう。あなたはまさに一流の演技者であり、天性のセレブリティです。カリスマ性、自信に満ちあふれ、輝くために生まれてきたかのようです。

　もっとも、これがあなたのすべてではありません。多くの偉大な役者や歌手がそうであるように、あなたもまた、ひそかにあがり症です。何度スポットライトの前に立って万雷の拍手を浴びても、直前まで緊張して楽屋を歩き回ってしまいます。

　あなたを愛し、一緒に暮らしている人たちは、突然やってくるあなたの不安とうぬぼれとの間での“揺れ”を許容することをすぐに学びます。彼ら・彼女らは、公演後に毎度「ダーリン、素晴らしかったよ」と声をかけなければなりませんし、厳しい役柄を連続してこなすあなたと“共演”するためには、自分もまた芝居に精通せねばならないと悟るのです。

　ある人の人生はメロドラマ、またある人の人生は茶番劇……といった世の中で、しし座の月はまるで天界のエージェントのごとく、あなたを古き良き大作映画にブッキングし続けます。あなたの人生においては、どんな問題も平凡なものなどではありません。またその一方で、どういった感情的な反応も単なる穏やかな心の揺れに過ぎません。つまり、すべては激しく燃え上がるか何も感じないか、なのです。
　そしてだからこそあなたは、自分が取り組むプロジェクトや自分が大切に思う人たちに対して全身全霊を捧げることができます。もっともそのせいであなたは、しばしば大げさになり、状況や会話に必要以上に没頭してしまうのですが。

　あなたが無類の完璧主義者なのは、細部に妙なこだわりや憧れを抱いているからではなく、単に批判されたり欠点を指摘されたりすることに耐えられないからです。
　とはいえあなたは、平凡な称賛でごまかされることを常に疑ってもいます。これは、幸せになるために克服しなければならないあなたの最大の欠点です。あなたの味方ばかりの集団に属していたとしても、あなたはこの疑念を捨て去れず、決して安心できないのですから！

　子どものころ、あなたはおそらく早熟だったでしょう。
　ティーンエイジャーのころもまた、そうだったはずです。未熟な仲間たちが抱くちょっとした憧れから距離を置き、外向的で自信に満ちていたのでは？
　そのころのあなたを見て、大人になったあとにこれほど激しい自信喪失や不安に苛（さいな）まれると誰が予想できたでしょう？――可能性があるのは、月星座しし座に精通している占星術師だけです。